第11章 伊黒小芭内
再び静寂が部屋を包む。
伊黒さんがゴムを開ける音。私の心臓の音。
少し荒い息遣いになった伊黒さんは準備を終えると、入口に先っぽをあてた。
「耐えられなくなったら言ってくれ」
私は静かにうなずく。
腰がゆっくりと動き、モノもそれに合わせてゆっくりと侵入してくる。
指とは違うずっしりとした質量を受け入れるのはかなりの痛みが伴い、じっとりと冷や汗が出た。
でも、もっと伊黒さんと繋がりたい。
1つになりたい。
「ふーっ…全て入ったぞ…沙織」
真っ直ぐな瞳で伊黒さんは私を見下ろす。
さらりと黒髪が落ちてきて、伊黒さんの香りに包まれた。
「キス、してくれませんか…?」
「いいだろう」
伊黒さんは繋がったまま、私に口付けをする。
舌が入る濃密な口付けにお互い溺れていた。
「んっ!んん…ん!」