貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第6章 安土へ
「ここ、あんたの部屋。じゃあ、これで俺の任務は終わったから」
「あ、い、家康さん…そのっ…ありがとうございました」
遠慮がちにその名を呼んでお礼を言うと、変わらない冷たい視線が私に向いた。
「………言っておくけど、あんたと馴れ合う気、ない」
それだけ言うと、家康さんは去って行った。
一線を引く言葉にしばし呆然とする。
理由は分からないけれど、よく思われてないのだけは分かる。それがなぜなのか分からず、戸惑うことしかできない自分。
私はしばらくその場から動けずにいた。