貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第6章 安土へ
「さっさとすませるから、黙ってついてきて」
言われたとおり、黙ったまま家康さんについてまわると、途中、道場に案内された。
磨き上げられた床に、壁にかけられた木刀。
一緒に木製の薙刀も掛けてある
「い、家康さんも稽古とかされるんですか?」
「……しない。」
勇気を出して掛けた言葉は、見事に一言で斬り捨てられる。少しでもお近づきになりたいという、私の邪な心はぽっきりと折られ、再び無言で家康さんの後ろをついて回る。
ひと通り城の中を回ると、最後に私が過ごすことになる部屋に案内された。