第5章 出会い

(今日も烈については、触れずにやり過ごそうと考えていたが…
明智の隠密がもう嗅ぎつけていたか…)

明智光秀の情報収集の能力の高さは、信玄が率いる三ツ者に引けを取らない
そのことは信玄も一目をおいてはいたが、この状況ではそれが恨めしく思えた

(ここまでばれていては、もう隠し立てはできない)


「信長…その姫ってのは…ちょっと訳ありでな」

仕方なし、ため息混じりに信玄が烈について話し出す

信長は乃々がこの時代に飛ばされた時、自分の側に置いて織田家ゆかりの姫としていた
烈の素性を話しても、驚きはするだろうが騒ぎ立てることはない

そう思った信玄は、信長に烈が現れた経緯を全てを話した