貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第18章 貴方に出会うそのために
「……そんなことで感極まるなんて、バカじゃないの」
眉をひそめて、家康さんが目を逸らす。
明るい日差しに照らされる耳の先が、ほんのり赤い。
(いくらそっけなくされても、もう効かない)
「ふふ」
思わず笑みを漏らすと、家康さんが眉をつり上げる。
「バカって言われて、なんで嬉しそうなの」
「家康さんの『バカ』は『好き』ってことでしょ」
「え……っ」
「『あっちに行って』は『そばにいて』。『大嫌い』は『大好き』」
「…………」
「違いました?」
……さあね。あんたがそう思うならそうなんじゃないの」
「素直じゃないですね、ほんと」
(でも、好き)
少し照れた家康さんの顔を微笑みながら見つめていると、家康さんが口をへの字に結び…ぐいっと私に顔を近づけた。
「じゃ、これわかる?」
「えっ……?」