貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第18章 貴方に出会うそのために
「それは、俺の一存では決められない。……だが、信長様から掻っ攫ってでも俺のものにするつもりだ。後悔はしたくない。」
信玄を見返す家康の翠色の瞳の奥に熱が灯る。
それに気づいた信玄が、少し意外そうに目を丸くした。
「……へぇ。あんまり、情熱的じゃねぇと思ったが、案外、熱い男なんだな。」
「そんなくだらない話しは、もういい。返事は?」
「そりゃ、俺だって愛しい乃々を返してもらわないといけないからな。烈は返してやるよ。本人もそれを望んでるだろうから。」
「じゃあ、烈は連れて帰る。」
家康は信玄の言葉を聞いて、内心ほっとしていた。
ここに来るまで、もし烈に安土に帰ることを拒否されたらどうしよう、と肝を冷やしていたのだ。