貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第18章 貴方に出会うそのために
少し意地悪に、家康さんが私を見下ろすけれど…
(本音じゃないって、今はもうわかってる。家康さんは、天邪鬼だから)
家康さんを見つめ返して、笑みがこぼれた。
「いいですよ、置いていったって」
「え…」
「勝手に私が、追いかけますから」
「っ…………」
(家康さんの気持ちは、全部まるごと伝わってる。だから、突き離されたって怖くない)
「私は、天邪鬼なところも含めて、全部、家康さんが好きなんです」
家康さんはぐっと息を詰めてから、大きく吐きだした。
「まったく、あんたってほんと、物好きだよね。……わかった、観念したよ。俺はもう死ぬまで、あんたの虜だ」