貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第17章 その肌に触れる
「烈、眠った……?」
「…起きて…ます。」
布団に横たわり、家康さんの腕に包まれながら掠れる声を出す。
心地良い睡魔に襲われるけれど、まだ起きていたかった。
「……ごめん。無理させたよね。」
「……そんな…大丈夫です。」
私の身体を気遣ってくれる、その言葉がさっきの情事を思い出させて
私の心臓はドキドキと高鳴った。
「あんたに触れたら、歯止めが効かなくなって……。あんたのこと、こんなに大事になるなんて、思ってなかった」
(え……?)
「……こんな気持ち、邪魔になるだけだと思ってた。だけど、違った」
長いまつ毛を瞬かせ家康さんも眠たげな顔で、私に微笑んでいる。
「烈が俺の隣で笑ってるなら、何だってできる気がする」
「私も……そう思います…」
半ば夢を見ながら、家康さんに告げる。
「ふたりでいれば、何だって、できるよ」
(だから、ずっと、ずっと一緒に、いたい)
何の不安もない夜、私達はぎゅっと抱きしめ合って、ふたり一緒に、心地良い夢の中へと落ちていった。