貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第16章 離れない、離さない
「烈様は本当に、家康様と仲がよろしいんですね」
(三成くん……)
三成くんは私たち二人を見て、温かな笑みを向けている。
「……あいつだけは気付いてなさそうだね」
「うん、多分…」
小声で囁き合っていると、秀吉さんもやってきて
「家康も、ご苦労だったな。信長様に直談判して、迎えに行くほど想い人がいるとはうらやましいもんだ」
私と家康さんを見ると、感心したようにうんうんと頷く。
「秀吉さん、余計なこと言わないでくれますか」
家康さんがじとりと秀吉さんを睨むと、秀吉さんは肩を竦めて笑った。
「直談判…って……?」
「じゃ、こんなところで立ち話しても仕方ないですし、さっさと城へ入りましょう」
「そうだな。今宵は宴だ。烈の帰還祝いと家康の快復祝いだな。」
私の言葉は家康さんと政宗に遮られ、問いかけに答えて貰えることはなかった。