貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第16章 離れない、離さない
「俺が乃々に贈り物する時は、乃々が喜びそうな物は何か?とか、あれこれ考えるんだよなぁ。」
何かを悟ったような言葉に、顔を上げて信玄様を見つめる。
「家康だって、烈のことを考えて、思って、それを贈ったんじゃないのか。」
「ーーーっ……。」
信玄様が優しく笑いかけてくれる。
再び手のひらに視線を落とすと、耳飾りを貰った時のことが鮮明に思い浮かんだ。
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『弓の稽古、それなりに頑張ってるし……指南役として、たまには労ってあげる』
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ぶっきらぼうに言いながら、少し照れ臭そうにしていた家康さん。
(私のために選んでくれたんだよね……。)
これを選んでくれている、家康さんを想像すると胸が小さく弾む。