貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第15章 好きだから
…………………
「……う……ん………」
重い瞼を懸命に開ける家康。
身体が鉛のように重い。
(……どれくらい寝てた?)
頭だけを動かして、周りを見渡すが人の気配はない。
身体を起こそうとしたが、力が入らない家康はそのまま布団に頭を落とした。
片腕で瞼を押さえれば、頭に浮かぶ烈の顔。
熱でうなされながらも、朧げに覚えている烈の顔は泣いていた。
突然、すっ、と襖が開く音が聞こえ、腕を外して開いた方をぱっと見上げるとーーーー
「良かった!気がついたんだね!」
「ーーーーー乃々?!」
いるはずのない乃々が、水の張った桶を持ってそこに立っていた。