貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第14章 救出作戦
「何で……ここに、いるんだよ」
「ごめんなさ……っ」
「…………」
「私…言いたいこと…いっぱいある……家康さんに……謝ってな……いっ」
「烈……」
かすかに震えながら伸ばされた手が、私の頬に触れ–––
「それは、いてもたってもいられなくて……」
「あんたに心配されるようじゃ……俺も、まだまだだね。にしても–––こんな場所まで、考え無しに来るなんて…–––ほんと、バカだね」
(あ……)
微かに微笑んで……すぐに、力なく垂れ下がった。
「家康さん–––!」
まぶたがゆっくり閉じられる中、叫び声が空しく、夜の森に響いた。
…………