貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第13章 独りよがり
深手を負う家臣達をかばい、敵の白刃を弾き返しながら、叫ぶ。
「城に戻って信長様に事態を知らせろ!」
「そんな……っ」
「そんなケガで助太刀されても邪魔なだけだ」
「その偉そうな態度、いつまでもつか見物だな。さっさと信長の元へ行って、武田の姫を連れて来い!」
次から次へと襲いかかる刃に家康は苦悶の表情を浮かべる。
「っ……」
「家康、様……っ」
「行け! これは命令だ」
「……はっ…!!」
家康の命令で従者がその場を離れると、今川の残党は挑発するように家康に薄ら笑った。