貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第12章 私の知らない時間
秀吉さんは最後に言いかけた言葉を途中で飲み込むと、かわりにあやすように私の頭をポンポンと撫でてくれる。
その大きな手から秀吉さんの優しさが伝わって、軋んだ胸が少し楽になってゆく。
「なんだ?烈。焼きもち妬いてるのか?そもそも乃々は、もう信玄のものなんだからよ。気にすんな。それにあいつ、お前のことだって満更でもねぇだろ。」
にやにや笑う政宗を殺気を放って睨むと、政宗はさらに面白そうに笑った。
「烈、お前もう少し余裕を持った大人の女になれよ。」
「……政宗!」
秀吉さんが再度、嗜めると、政宗はふざけたように肩を竦める。
落ち込む私を楽しげに見てる政宗とそれを嗜める秀吉さん、三成くんだけがぽかんとその様子を見つめていた。