貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第11章 恋情
(着いちゃった……)
御殿の門までたどり着く。
……絡みあった指先が解かれてゆく。離れがたくて、家康さんの中指を思わず握りしめた。
驚いたように振り向き私を見つめる家康さん。
すると私の気持ちを汲んでくれるように、そっとその指先を握り返す。
「烈。また、行こう。」
宥めるような優しい声にコクンと小さく頷くと離れてゆく指先。
そのまま御殿に入ると、家康さんは仕事のために自室に戻って行った。
私も部屋に戻ると、今日の出来事が夢だったんじゃないかと思えるほどの幸せに包まれた。
繋がれたあの指先を離したくないほどに、家康さんに恋焦がれてる。優しくされればされるだけ、好きの気持ちが大きくなっていく。
どうしようもないこの恋情に、私は溺れていくのだった。