貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第11章 恋情
そっと引き離されて、気まずさをかき消すように再び並んで歩きだす。
微かに触れ合う手と手……。その微かな触れ合いですら愛おしい。
するとーーー
いつしか絡み合う指先……。
それはどちらともなく、ごく自然に……
(私たちも…いつか見た恋人同士に見えるかな)
少し前行く家康さんに引かれるように歩く、視線を落とせば絡み合う指先。
戸惑いながらも絡みあった指先に、伝わる互いの温もりにドキドキと止まらない私の鼓動。
歩みを進める分だけ御殿に近づいて行く、ずっとこうしていたい……と、願っても視界の向こうには終わりが見える。