貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第11章 恋情
家康さんに現実を思い知らされ、自分の甘さが情けなくなる。
「–––そういう深刻そうな顔も物騒な言動も、あんたには全然似合わない」
家康さんの手が伸びてきて、長い指先が、無造作に私の頬に触れた。
(……っ!?)
「烈はいつもみたいに、へらへらしてればいいよ」
あやすように優しく撫でられ、触れられた箇所から熱くなる。
「わ……わかり、ました」
心臓がばくばくと鳴る音を聞きながら、掠れる声で告げる。
「……っ」
不意に、家康さんが、我に返ったように目を見開いた。