貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第11章 恋情
「まぁ〜、烈様!袴姿も凛として素敵ですが、姫さまらしいお姿も本当に可愛らしい」
借りた籐黄色の小袖に着替え、いつも結えている髪を下ろす。薄化粧に仕上げの紅を引くと、支度してくれた女中さんが私を見て嬉しそうに声を上げた。
「普段、女っ気のない御殿なのであまり小袖はないんですけど、烈様に似合う物があって良かったです」
「助かりました。本当にありがとうございます。汚さないよう気をつけますね」
「きっと家康様もお喜びになられると思いますよ。」
ふふふ、と女中さんは意味ありげに笑うと、家康さんが待つ門へと私を急かした。