貴方に出会うそのために〜イケメン戦国 徳川家康・上杉謙信〜
第10章 孤独感
(暇だ……。何もしないって、こんなに暇なの?)
家康さんの御殿に来てから二日。
弓の稽古も剣の稽古も禁止されていた私は、ただただ時間を持て余していた。
大の字に寝転んだまま天井を見つめる。
ここに来た日から、家康さんの姿を見ていない。仕事が忙しいのか、避けられているのかもわからない。
女中さんも一線を引いているようで、私は誰かとまともに会話すらしていなかった。
そのせいなのか、一日がとてつもなく長く感じる。
それは、この時代に来て初めて感じる感覚だった。