第2章 荘園へ
一流の料理人だった。
だったということは、つまり、過去形ということで。
今はのんびりアレンジ料理でも作りながら隠居生活をしている。
齢23の人がやることでもないが、やってはいけない、なんてことは無いであろう。
金ならある。それはもう使い切れないくらい。
地位も名声もお金も、なんでも手に入れたら人間は堕落していくだけであり、私もだいぶ堕落してきた。
そんなある日、私の元に一通の手紙が届く。
「拝啓ふうか様
毎日に退屈している貴女に取っておきのゲームを用意しました。
もし、この毎日を変えたいのなら、こちらへ来てください
エウリュディケ荘園より。」
…?なんだこれ。
ゲーム…まぁ、楽しいことは好きだけれども、人と喋るのは苦手だし、第一、どんなゲームなのかも分からない…
でも、何か惹かれるものがある。
ここで、私の何かが変わるかもしれない。
もしかしたら、、ここで運命の人に会えるのかも。