第1章 不思議な彼女と大きな拾いもの
私の能力が人の役に立つのなら、できる限り協力したいとは思ってる。でも、あの力を使うとドッと疲れるし……見たくないものを見てしまう時もある訳で、私自身には全く良い事なんてない。
しかも今回はサミット会場は勿論のこと、空港から会場、会場の至る場所、ホテルの部屋の中、その他要人達が行きたいと言っている寿司屋まで……能力を使いっぱなしで数時間動かなくてはいけない。
今から気が重い……
でも一旦仕事のことは忘れて、目を閉じ、深く息を吸って、吐く。
こういう時、瞼の裏に浮かんでくるのは、やっぱり“あの彼”だ。
この部屋で、このベットで、彼に抱かれた時のことを思い出しながら……自分を自分で慰める日もたまにある。
「ココ……好きそうですね……」
「あっ!だ、め、あぁ、あ、あぁっ……」
「駄目じゃない……イイときは、“もっと”です……」
「っあ、あぁ……ん、あ……もっ、と……もっと、して……っあぁ!あっあぁっ!」
私の指じゃ届かない所を、彼の長い指に刺激されて。秘芽を弾かれ。
真っ白になって……達して……キスをして……
大きく硬い熱に身体の中心を貫かれると、そこからは未知の世界だった。
彼が奥を刺激する度に、身体の芯が震えて快感が全身へ広がっていく……あんなのは初めてで。
「ぁ……すご、い……あぁ、あ……あぁっ」
「っ……中、ヒクヒク吸い付いてきますね……気持ちいいって……悦んでる……」
「あぁっ!あぁ……っん、きもち、きもちいい、の……すごい……あ、あぁ」
「……僕もです、すごくいい……っ」
筋肉質な太い腕に抱き締められて……強く腰を打ち付けられれば目の前がチカチカして……気持ちよすぎてバカになってしまうんじゃと怖くなるくらい……
彼を思い出してはこんな事してるから、いつまで経っても忘れられないのかもしれない。
きっともう彼とは会うことは無いだろうし、思い出に浸った所で、結局最後は虚しくなるだけなのに。
でも頭の中に勝手に浮かんでくるものを止めることもできない。