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恋のはじめかた【名探偵コナンR18】

第14章 二人の選んだ道


「……なんと言いますか……降谷さんとさんのご関係はすごく羨ましいです」

「そうですか……?結構変わってると思ってたけど……そう言えば風見さんは彼女って……」

「おりません……自分にもそういう人がいたら、と思う事はありますが、まあ、中々、警察という特殊な職業を理解してくださる方は少ないですし……」

「……少なくてもゼロじゃないですよ。いい人が見つかるのを私楽しみにしてますから!きっと零くんもそう思ってますよ!」

「は、はい……恐縮です……」




まあ、こんなやり取りをしながらホテルに送ってもらったのだ。

そろそろ“夜”と言っていい時間帯。ふとカーテンを捲って外の景色を見れば、街路樹に付けられたイルミネーションがキラキラと大通りの端を飾っていて。去年の今頃のことが色々思い出される。


……これでよかった。そうでなくちゃ困る。


物音ひとつ無い部屋の中、急に電子的な音が小さく響いた。音の方向を振り向けば、部屋の入口のドアが開きかけていた。


「……、居るのか?」

「……いる!!!」


私の身体は飛び跳ねたんじゃないかってくらい……一瞬にしてそっちの方へ向かって走り出す。

ドアが開いて部屋に入ってきたのは勿論、零くんで……駆け寄るなりその身体に抱き着いた。零くんも、しっかりと抱き締めてくれる。

久しぶりの彼の匂いと、この心地を……身体中で存分に味わう。


「……」

「零くん……」


顔を上げて、目が合うか、それとも唇が合わさった方が早いか……そのまま何度もキスを繰り返す。喋りたいことだって沢山あるのに、キスが止まらない。

唇が離れる合間に、「元気だったか」とか「会いたかった」とか、短い言葉を発しては、また口付けて……

どんどんキスは深くなり、次第に身体は熱を持ち出して……もう……堪らなくなってきた。

零くんも同じだったんだろうか。


「……今すぐを抱きたい」

「ん……っ、うん……」


身体が持ち上がり、ベッドに背中から倒される。一緒に倒れ覆い被さってくる零くんとまた唇が重なり。飢えた獣みたいにまた夢中で貪り合う。

まだほとんどまともな会話もしてない。でも、気持ちは通じてるはずだ。
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