第12章 密会は堂々と行われる
部屋の電気も明るいまま、PCも付けたまま。でもそんなのに構うことも無く……どんどん深くなるキスを繰り返しながら、何かを確かめるように服の下を手探り合う。
もう完全に身体は欲情している……こんなの自分じゃないみたい……彼が欲しくて堪らない。多分、彼も同じように思ってる。彼の熱っぽい視線は、そう訴えてきているようにしか見えない。
“あの彼”と赤井さん、顔も声も違うけど、キスもそうだ、そしてその合間に漏れる吐息も、間違いなく彼のモノだ。
目を合わせたまま、何か同意したように小さく頷いて……
お互い中途半端に肌蹴ていた衣服を全て取っ払い、ベッドに転がり込んだ。何も纏わぬ肌の上を大きな手が這っていき……広い背中に手を回して抱き付けば、ようやく肌と肌が触れ合えて……待ち焦がれていたその感触に身体の芯が震える。
「やはり……こんなにしっくりくるのはだからだな」
「私も……同じこと思ってました……すごく気持ちいい……」
「俺なんて……もうこんなだ……」
手を取られ、彼の局部に触れさせられた。ソコは既に圧倒的な大きさと硬さを持っているように思う……なんだか急に恥ずかしくなってきた。
不意に下半身が切なく疼いて、視線を斜め下の方へ逸らす。
「どうかしたか」
「っ……」
視点が未だに定まらない。と言うより自分の頭の中に浮かんできた感情をどう処理すればいいのか分からないのだ……
まだ下半身はロクに愛撫もされてない、なのにもう、手の中で熱く脈打つコレが欲しいと思うのは、おかしいことだろうか。
「なんだ、今更恥ずかしがってるのか?あの時に、全部知り尽くしただろう……」
「でも……」
「素直になればいい……」
「だって、おかしいもん……」
「何もおかしいことはない」
「……もう、欲しいの……」
「ああ……そういう事か」
彼の身体が動き、私の手からソレは離れていく。
すぐに脚の間に彼の手が差し込まれ。その手が内腿を撫で上げて中心に辿り着くと……ソコはもうたっぷり潤っているようだった。
妖しく口角を上げる赤井さんが、少し嬉しそうにも見える……