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恋のはじめかた【名探偵コナンR18】

第10章 気分は上々……


翌朝、零くんの隣で目が覚める。彼も今起きたようで、少し掠れた声で朝の挨拶を交わし、唇が触れ合うだけのキスをした。

一緒に起き上がろうとする彼をなんとか制し、一人ベッドから出て朝の支度を始める。洗濯機を回しながら歯磨きして、シャワーして……

ひと段落して、ベッド際にそろりと戻る私の手にはスマートフォン。零くんの寝顔でも撮ってやろうって魂胆だ。

カメラを起動して、スマホ越しに零くんの顔を覗く。

目を閉じてても綺麗な顔だ……ちょっと可愛い。なんか、触りたくなる。

狙いを定めて、画面をタップした。でもシャッター音が響いたその瞬間、零くんの目がパチッと開いた。


「撮ったな?」

「撮ったよ?……っきゃ!」


妖しく笑う零くんに無理やり腕を引かれベッドに倒れ込む。パっとスマホを取り上げられてしまい、取り返そうとバタバタしてると……どうやらカメラがインカメラに切り替えられた模様。画面に写っているのは、零くんと私だ。


「えっ?ちょっと!」

「、ちゃんと見て」


カシャ、と写真を撮られて、スマホを返された。


「はい。僕のにも送ってよ」

「ええぇ……」


渡されたスマホを両手で持ち、渋々撮影された写真を確認すると……楽しそうに笑ってる零くん、それはいいんだけど、隣の私の顔は間抜け顔だ。


「コレやだ!撮り直す!」


もう一度カメラを起動して、まだまともに見れる写真を撮って、零くんに送信した。




二人とも支度を済ませて、家を出る。朝食を喫茶店で取り、このまま一緒に研究室へ向かえれば楽なんだけど、生憎午前中は別の用事が入っている為、零くんとは大学前で一度お別れとなる。

人の多い校門前、ただでさえ目立つ白い車の中で短いキスをして、車を降りた。我ながら恥ずかしい事をしたものだ。水野先生は見てないよな……と周りを確認して、校内へ入った。
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