第10章 気分は上々……
ベッドの端に座らされると、すぐ真隣に零くんも座ってくる。
上半身の肌の出てるところをゆっくり撫でられて、腿に手のひらが置かれる。
「タオル一枚っていうのも中々……」
「……うん?」
「良いってことだ。ほとんど裸なのに、見えそうで見えなくて……興奮するよな」
色を含んだ瞳に身体を上から下まで見られて……気付いた時にはもっと触れて欲しくて堪らなくなってきていた。私も興奮してるんだろうか。
「零くん……」
名前を呼んで、彼を見つめる。いつもより少しだけ伏せられた瞼から覗く瞳と目が合う。前にも見た……零くんの男の顔だ。胸がきゅう……っとなって、再び強く速く脈を打ち始める。
「は……可愛いな」
髪を撫でた零くんの手が頬にかかり、おでこにキスがひとつ。鼻先にも、頬にもキスをされて……唇にもして欲しくて、強請るように彼の口元を見つめる。
だけど焦れったくなってきて、自分から口付けた。零くんの首の後ろに手を掛けて、引き寄せて、何度も繰り返す内にどっちからキスしてるのかなんて分からなくなってくる。
背中を撫でられたと思えば、ゆっくり身体を後ろに倒され、背中からシーツに沈む。
それでもキスは止まないけど、零くんの手はタオルの上から乳房にかかり、柔らかく揉んできた……
「はいつも立たせてるのか……?ココ」
「んっ……ちが、ぅ……っあ……あぁ……」
胸の先を指で押された。厚い布越しでは、その刺激は少しもどかしい。
早くタオルなんて取り払ってくれたらいいのに、零くんはそうはせずに、私の耳の近くに顔を寄せて耳たぶを甘く噛んできた。
変な声が出そうになるのを必死で堪える。
「力、入ってる。ガマンしてるのか?」
「っふ、ぁ……だって……変な声、出そ……っひゃ!」
耳の中まで舌が入ってきて、零くんの立てる水音がダイレクトに脳内に響く。
「ふーん……じゃあ、こういうのは、好き?」
「……ん?……うん?」
何だろう、突然両耳を零くんに塞がれた。次に唇が重なって、柔らかく舌が入ってきた。
……クチュ、クチュと、舌と唾液の絡む音だけがやたら強調されて聞こえる……何これ……めちゃくちゃ、やらしい……初めての感覚に頭がぼんやりしてくる……
「……気持ちいいだろ?」
「うん……なに、これ……」