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恋のはじめかた【名探偵コナンR18】

第10章 気分は上々……


「飛行機は寝れたか?」

「うーん、ぼちぼち?」

「そうか。いや、まだ昼過ぎだろ?急いで家に帰らなくてもいいのかもな、って」

「たしかに」

「どっか寄ってくか?」

「そうだね。じゃあ……零くんの部屋着でも買いに行く?ウチにもあった方がいいでしょ?」

「それは……今夜はウチに泊まらないかって誘われてると思えばいいのか?」

「……そんなつもりじゃ、ない……ないけど……」

「分かった。買いに行こう」


楽しそうに口角を上げた零くんが運転中でよかった。だって今の私、絶対顔赤い……




通り道にあった大型の衣料品店で零くんの部屋着と、「ついでに……」って私が今度零くんの家に行った時に着る服まで選ぶことになる。


「コレはどうだ?似合うと思う」


そう言った零くんが手にしてるのは、裾や袖がフリっとしたワンピースタイプの部屋着だった。可愛いけど……


「……私こんな可愛いの着て寝たことないなぁ」

「そうか?でも普通のパジャマも捨て難いよな。ホテルのやつ着てるも可愛かったし」

「……じゃあコレにする」


私が手に取ったのは、シンプルなシャツワンピースタイプのパジャマだ。


「それも合いそうだな。触り心地も良さそうだ」

「うん、着やすそう」

「脱がせやすさも問題ない」

「え……っ?ああ……」


零くんがそんな事考えてたなんて思いもよらず……顔を上げれなくて、斜め下、手にした布に視線を落とす。


「どっちも買おうか。別に二つあったっていいよな」

「そ、そだね……」


涼しい顔して零くんは言うけど……私の頭の中は軽く目眩を起こしそうな程ドギマギしている。

どうしたらいいのやら、再び斜め下を見つめていると「外でそんな可愛い顔するなよ、誰にも見せたくない」とか……そんなことを耳元でボソッと言われて、益々どんな顔をしたらいいのか分からなくなってしまった。


結局部屋着を計三つ買って、再び車に戻る。


「このままとデートもいいけど……一旦帰ろうか」

「うーん、そうだね。荷物も片付けたいし」


それに零くんの手前言い難いけど、実はお風呂に物凄く入りたい。アメリカのホテルで朝シャワーを浴びたのはもう何時間前だろう……
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