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恋のはじめかた【名探偵コナンR18】

第9章 善意の横槍


翌朝。時間ピッタリにホテルの一階に降りチェックアウトを済ませると、ジェイムズさんがお迎えに来てくれていた。


「おはよう。さん、水野教授。今回は協力本当に有難う」

「ジェイムズさん!おはようございます!」

「体調はどうだい?」

「もう大丈夫です!ご心配お掛けしました……あの、犯人捕まえられそうですか……?」

「おそらく。君達が飛行機に乗る頃にはね」


穏やかに頷くジェイムズさんを見て安心する。

ホテルの外に出て、道路に停まっていた高級セダンの後部座席のドアを開けられ、乗り込んだ。


「赤井さんが来てないってことは、捜査に行ってるってことですよね?」

「そうだ。彼からも礼を言っておいてくれと言われているよ。それから、これをさんに、と預かってきている」

「わー!もしかして!」


一昨日の晩に言ってた、ドーナツ屋のドーナツとコーヒーだった。まだ温かいカップと、小さな箱を受け取る。


「空港まではしばらくかかる。食べながら寛いでくれ」

「ありがとうございますー!頂きます!」


走り出した車の中、箱を開けばシンプルなドーナツと、カラフルなのが一つずつ並んでいて。
先生を見ると「俺はいい」って首を横に振ったから、どっちも私が頂こう。

その前にコーヒーをひとくち口に含んで確認すると……今日はブラックだった。そう、私は甘い物を食べる時はブラックじゃないと嫌なのだ。


「やっぱ赤井さんってデキる男ですねー……」

「そうだが。惚れるなよ?には、」

「分かってますよ、いただきまーす」


(おそらく)出来たてのドーナツをたまに頬張りながら、上機嫌で街並みを眺めていたらあっという間に空港に着き、入口の所でジェイムズさんとはお別れとなる。


「ジェイムズさん、最後の最後まで色々配慮してくださってありがとうございました。おかげで気持ちよく仕事できました」

「おや。そう言って貰えるとこちらも嬉しいよ」

「赤井さんにも、ありがとうございましたって、お伝えください」

「ああ。では、元気でね。これからの君の活躍に期待しているよ」

「はい!」
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