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【ヒプマイ】よふかしのうた : R18 : 短編集

第6章 ※お願いだから触れて欲しい 乱数


「乱数ちゃんって、夜の顔どんな感じなのっ?可愛く攻められるタイプ?それとも雄っ気出してきちゃうタイプ??」
「え〜、ん〜…内緒かなあ」
「えーー!!何それ!?」


友達からのそんな質問に、私は曖昧な笑顔で返事をごまかす。恥ずかしがってるとかじゃない。何も知らないから、誤魔化さざるを得ないのだ。





私と乱数は付き合ってもうすぐ半年頃になる。乱数が告白してきてくれて、私はもちろん即OKを出した。理由は簡単、乱数にリアコしてしまっていたからだ。


最初はただのファンだった。でも、気づけばその距離は縮まっていて、だんだんと乱数の本当の魅力に惹かれていったのだ。


けど女の子との交流が広い乱数は、私と付き合う前セフレなんて何人もいた。実際に聞いたわけではないのだが、女の子たちがキャッキャッ騒いでいたからほぼ確定だ。


そのこともあって、夜に関してそれなりの覚悟はしていた。AVも見漁って、無駄な見識を深めてまで。


なのに、乱数は全くと言っていいほど私に手を出してこない。たまーに、軽く触れるだけのキスが寝る前とかバイバイする前にあるくらいだ。


私の性欲はそこまで強くないと思っていたのだが、気合を入れていた分その気持ちが空回りしてしまい、やり場のない想いがふわふわと頭の中を彷徨っている。しまいには、私ってそんなに魅力ない…?と自己嫌悪にまで陥ってしまって。


(今度のデートは私のお家でお泊まり…これはもう、やるっきゃない…!)


密かな闘志を燃やし、グッと握り拳を作った。





「ふー、美味しかった〜!相変わらずはお料理が上手だねっ!」
「そうかな?ありがとう」


満足そうにお腹をさすり、可愛らしい笑みを浮かべる乱数にこっちまで笑顔になってしまう。食器等を簡単に片付け、スマホを眺める乱数の横に座った。


体が触れ合うくらいに近づき、ジッと乱数のことを見上げる。


「んー?どうしたの?甘えん坊の気分?」
「…うん」
「あはっ、何それ可愛い〜」


チュッと音を立てて、唇が触れ合うだけのキスを交わす。いつもならそれだけで終わるけど、今日の私は一味違うのだ。さらに自分から唇を寄せ、薄く開いた乱数の唇をちろりと舐めた。
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