第6章 花火
暗闇しか知らない
暗闇の中に見えた小さな光と音
(···いつか、見てみたい)
それだけを思い暗闇から救い出してくれた
だけどその音と光をまだ見れぬまま、手には血だらけ
ーーーー·····
「花火··?」
「はい、近々近くで花火大会があるんで芥川くんどうですか?」
「····太宰さんと行くのか?」
「いいえ、太宰さんはその日いませんから」
ぴくっ
「いない?」
「はい」
「行く」
「それでは首領に話してきますね」
がたっ
「天音!··っごほっ!」
「芥川くん、大丈夫だよ」
さすさす
「ごほっ、ゲホゲホ···天音··」
「ゆっくり、息を吸って、吐いて···」