【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第10章 ▼前夜▼
「で、この作戦書通りだと兵長は明日、審議場でその少年をボコボコにする役回りなわけですか。これ以上にないほど適役ですね」
「自分でもそう思う。で、お前の役目はその後のアフターケア。出かける用意はしておけよ」
「はい.......、しかし模範のような飴と鞭の使い方ですね。少年が不憫でなりません」
そもそも何故私がアフターケア……私ほど向いていない人物がいるだろうか。エルヴィン団長は一体何を考えているのか。
「この計画が上手くいけばエレンは無事調査兵団で引きとれる。ついでに巨人化の力をうまく制御できれば人類にとって万々歳、ってのがエルヴィンの考えだな」
「はぁ……巨人に勝利するためならば巨人の力をも利用すると。相変わらずの悪魔ぶりには畏敬の念を抱かざるを得ませんね」
「皮肉もそのくらいにしとけ」
ため息をひとつ。
アフターケア、アフターケア……そんなものした経験もなければ受けた経験もない。エルヴィン団長の直命ならばばっくれてやってもいいのだがリヴァイ兵長の顔に泥を塗るわけにもいかないだろう。
どうしたものか……。