【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第9章 約束と方針
「……いえ、その……ありがとう、ございます……?」
「何故疑問系」
「こういう場合どういう言葉を言うのが相応しいのかよくわからなくて……」
生まれた日を祝われたことなんてない。むしろ逆だ。自らずっと呪ってきた。
こんな世界に生まれなければ、こんな時代に生まれなければ。
それがまさか、自分に愛する人ができて、自分を愛してくれる人ができて、その人と共にその日を祝えるだなんて。数ヶ月前の私じゃ想像もつかなかっただろう。それも相手はあの人類最強だ。
本当に人生とは何が起こるかわからない。
「……楽しみです、次の12月25日」
今はその言葉だけで十分だろう。私はまた小さく笑う。
「そうか……じゃあ、」
「………!!」
治った右手を引かれ、兵長の胸元へと飛び込んだ。たくましい両腕で体も包まれ、優しく抱きしめられる。
「……誕生日なんかこれから先何度でもくる。
何度だって祝ってやる。
お前が生まれてきてよかったと思えるように。
……だから……絶対に死ぬな」
「………っ!!」