【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第8章 距離
ずるずると引きづられていくのは医務室ではなく兵長の執務室。さすがに首根っこをつかまれたままこの距離を引きづられるのはしんどいが、仕事をサボった罰だと思い無言を貫き通した。足で扉を開き私は部屋へと放られふらつく。
「わっ………」
するとふらつく私をすぐさま受け止め、入り口の扉に押し付けた。
「自分で突きとばしといて……何やってるんですか、」
「こうでもしねぇと大人しくしねぇだろ、お前」
兵長の顔が近い、この距離はあの夜以来で、どうも心臓に悪い。
「あいつらの前では、随分しおらしいじゃねぇか。いつもの減らず口はどうした」
「ハンジさんや兵長が特別なだけです。私本来人とはあのくらいの距離感ですよ」
そうこう言っている間にも、手首は押さえつけられ膝は私の足を割って入ってくる。
きょ、距離が近い……。
「チッ……またハンジか」
「ハンジさんにまで嫉妬とは余裕がないですねぇ」
やられっぱなしもなんだったので精一杯兵長を見上げて余裕気に笑ってみせる。