【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第7章 知らない感情
「……馬子にも衣装だな」
「兵長、そういうところですよ」
筋トレを封じられ、着替えてしまったので派手に動くこともできず大人しくベッドで本を読んでいると仕事が終わったのか、兵長がやってきた。夕方と言っていたが、もう夜は更けてしまっていた。
……そういえば、兵服じゃない兵長を見るのは初めてだ。なんだか新鮮。
「行くぞ、」
私の腕を引き、医務室を出る。目的地は聞いていないが、ぶん殴られるならきっと人気のないところだろう。
……完全に私が悪いので覚悟は決めておこう。
「どこへ、いくんですか」
「……黙ってついて来りゃいい」
馬小屋の方へ行かないということは、近場なのだろう。私は黙って引きずられる。
「……兵長、黙ってるのなんだか気恥ずかしいので、何か喋ってください」
こう2人きりになると、あの日のことを思い出す。兵長は、私を愛すると言ってくれたのだ。
……ああ、体温上がってきた。
「気恥ずかしいなんて感情、お前にあったんだな」
「私をなんだと思ってるんです」