【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第28章 あいたい人
「……そう思いつめるな、よく耐えてくれた」
ポンと、片手で頭を撫でられる。
「拷問の分は……後で特別手当せびるので……お願いしますね」
地上への階段の道中、そんなことを言いながら登るも意識が遠のきかける。……そういえば、何日寝てなかったんだろう、何日ご飯抜いてたんだろう。体力落ちてるだろうな……。
「あ、おい!!」
階段を踏み外し、後ろに落ちかけるも憲兵の人に支えられる。
「……すみません」
「いや、無理もない。……本当によく耐えたよ」
「すまないな、ナイル。私が支えたいところなんだが、この腕じゃあな、」
ナイル、そう呼ばれた人に支えられ階段を上る。ナイル……聞き覚えがあると思えば憲兵団のトップか……。
「……なあ、別に今聞くべきことじゃないんだろうが、リヴァイのどこに惚れたんだ?ツラはさておき、ただ巨人のうなじを削ぐのがうまいだけの口と態度の悪いガキだろ、あいつ」
三十路の兵長をガキ呼ばわりできるのは、エルヴィン団長とこの人くらいなんだろうな。
「そう、ですね………とにかく、」
また、意識が持って行かれる。……だめだ、戦わないと、役立たずのままは、いやだ……。
「……優しい、方なんですよ」
私はゆっくりと目を閉じた。