【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第28章 あいたい人
冷たい感覚。
手枷、足枷、首輪。あらゆる身動きが封じられ、馬車に揺られる。
「……団長、これ、特別手当とか出ますよね」
「余計な口を聞くな」
枷を握る男に怒られ黙る。
調査兵団に、民間人殺害の容疑がかかった。兵長と別れて数日後の出来事だ。まあ、作戦を少し前倒して行うだけなので特段大きな問題はない。だが、
「……私怪我人ですよ?こんなきつく縛らなくても……」
「黙ってろ」
本来ならば、私もハンジさんとともにヒストリアとエレンの救出に向かうはずだった。だが、先ほども言った通り思った以上に中央憲兵の動きが早かったせいで、まだ私の怪我は十分に戦えるレベルに治っていない。仕方なく、こうして連行されているわけである。
「…………」
何を考えているのやら、向かいに座っているエルヴィン団長は先ほどからうんともすんとも言わず外を見つめている。
『……アリス、急で申し訳ないが、拷問には耐えられるか?』
『はい?え、………ま、まあ、情報を渡さないことを定義とするなら……耐えられますよ。その時私が生きているかどうかは知りませんけど』
『そうか……、では、急がないとな』
『え、私拷問受けるんですか?嫌ですよ?ちょ、聞いてますか?』
くそう、あの時ちゃんと断っておけばよかった。