【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第26章 悪魔の裏側
「……なにか、用でもあったか?」
嬉しさにかまけて情けねぇツラになってしまうのをなんとか耐え、俺はアリスを見下ろす。
「……いえ、なんていうか、……改めまして、随分とお久しぶりでしたので」
いまいち何を言いたいのか伝わらず、とりあえず自室へと引く手は止めず次の言葉を待つ。
「……また次も生きて帰れるやらよくわからない任務ですし……、」
「……なんだ、言いたいことがあるならはっきり言え」
自分の性格がいいとは思っていなかったが、こいつ相手にはどうも意地が悪くなってしまう。言いたいことなどもう、わかっているはずなのに。
「……ちょっと一緒にいたかっただけです」
握る掌が熱を帯びるのを感じた。
「……ほら、いつも兵長が来てくださるじゃないですか。……たまには私から、と思っただけです。……ち、ちがいますからね!!私が寂しかったとか……そういうのじゃないです!!勘違いしないでくださいね本当に違いますか………」
「うるせぇ、もうわかったから黙れ」
「ん………っ……」
廊下の壁にアリスの体を押し付け、口を塞ぐ。
「……っは……な、何を………!!」
「……こういうこと、したかったんじゃねぇのか」
怪我人を抱くほど、がっついちゃいない。だが、
「……ぶっちゃけますと………ちょっと寂しかっただけです」
「素直じゃねぇな」
寂しがる愛しい女を放っておくほど、枯れてもいない。