【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第25章 此岸
「ゆびきりは小指と小指でするものですよ」
「まで、じゃねぇよ。縁起でもねぇ」
そっと指先に口付ける。
「ふふ……そうですね。……でもこの形で指切っちゃうと約束破った時、兵長は腕ごと削がれます」
「は、いい度胸だ、別にそれで構わない。ハナから約束は破るつもりも破らせるつもりもねぇ」
「じゃあ私も……」
俺の指にアリスの細く、白い指が絡んでくる。
「へへ……これじゃあゆびきりの原型もないですが」
嬉しそうに微笑むアリスに、体の奥から湧き上がる劣情。
「……っ…、もういいだろ。今日は、もう寝ろ。とっとと治せ」
バッと手を離し部屋を出ようとする俺の気も知らず、煽るように頬を赤め、
「兵長……大好きですよ」
そんなことをつぶやかれては、もう理性もクソもねぇ。
「っ………!!ったく………てメェは……怪我が治ったら覚えてろよ」
そんな声は届いたのか否か、次の瞬間には寝息を立て始めるこのクソ自由人。
「……俺も、愛してる。……アリス……」
額にそっとキスを落とし、俺は部屋を出た。