【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第25章 此岸
「ええ……っと……1番窓際の机の……」
「貸せ、俺がやる」
床を這い、机に寄ろうとする私から机の鍵を奪い、ベッドの上に座らせてくれる。そして机の引き出しを探してくれる兵長、優しい。
「……チッ……くだらねぇもん持ち込みやがって……」
「?何かあったんですか?」
「娯楽本」
「あぁ……」
娯楽本、娯楽本ね。私は何かを察した。
「……兵長もそういう本、持ってたりするんですか?」
「あ゛ぁ?」
「痛いですなんで怒るんですか……」
急にどつかれ頭をさする。しかしなんだかんだ患部を避けてくれるあたりは優しさを感じる。……痛いけど。
「ルルが教えてくれたんです。男はみんな持ってるから兵長の部屋も探してみろって」
「……あいつの墓に向かって言ってやれ。俺にはそんなモンは必要ねぇってな」
「??」
首をかしげる私に兵長は何も答えてはくれなかった。
『でもリヴァイ兵長にはアリスさんがいるから必要ないんじゃ……』
『ウィン、それ以上言うと削がれるぞ』