【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第25章 此岸
「……ったく、大人しくベッドで寝てりゃあいいものを……」
エレン奪還作戦から5日後。
男子塔、3階への長い階段を兵長に抱かれ登っていく。両足複雑骨折、右腕も1人じゃ動かせない。右目も、義眼ができるまでは包帯で覆われたまま。さすがに1人で向かうことは無理だった。
「仕方ないじゃないですか。……"遺言"に、なっちゃったんですから」
遡ること約1週間前、
『アリスさん、もし俺らが先に死んだらお願いしたいことがあるんですけど、』
『え、シャルさんもう泣き言っすか〜?』
『まだくたばる気はねぇよ!!ただ、これから俺らを率いてもらうんだから、伝えておいて損はねーだろ』
『あ〜あれかー』
『……?何すればいいの?』
『俺らの部屋の、1番窓際の机の1番下の引き出しの中、そこにこのくらいの……箱が入ってます』
『箱……?何が入ってるの?』
『………、俺らの、"願い"です』
『願い……?』
『はい。アリスさんと一緒に、持っていってやってほしいんです。貴方の行く先へ』