【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第24章 片翼
しかし、スパイ疑惑が出ている以上、必要以上の会話は控えたほうがいいのだろう。うっかり情報を漏らしてはいけない。
「アリスさんも、随分小柄なのに凄いですよね……、私なんて、みんなの訓練ついていくのがやっとで……」
クリスタ……随分可愛らしい子だ。私より小さい子なんて久しぶりに会ったよ。しかしこの子……どこか"同じ匂い"がするのは気のせいだろうか……。
「まあ、体が小さいとどうしてもね、必然的に体力の消耗も大きいしね……。その体格で10位以内の成績っていうのは、本当に凄いと思うよ」
確か今年の新兵はほぼ全員が10位以内の成績のものと聞いている。珍しい年もあるものだ。
「コニー、それ食べないんでしたら私にください!!」
「は?!やるわけねぇだろ!?」
「おいサシャ!!そいつは俺のパンだ返せっ!!」
「ベルトルさん、私はこれ嫌いだから、あげるよ」
「……みんな成長期なんだから、自分のをちゃんと残さず食べるようにね」
……でも、こうして見ていると、どうも誰も疑う気になれない。みんなとても素直で、いい子達なのに。
「そういうアリスさんも、ほら。残ってますよ野菜」
ベルトルトに指摘され、私はフォークでニンジンを突く。
「……私は成長期終わってるから、いいの」
「あれ?そういえばアリスさん、おいくつなんですか?」
「18」
「「「「え!?」」」」
うん、もうこの反応慣れた。