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【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】

第24章 片翼


「……チッ、……あいつ……」

亡くなった兵士の身辺整理は、大概同じ班のものが行う。しかしその班が全滅してしまった場合は、業務の都合上後にまわされることが多い。"奴"の班にも生存者はいるが、当時身辺整理など出来る精神状況ではなかったことや、こいつが一階の兵士でなかったこともあり急いで部屋をあける必要もなかった為しばらく放置されていた。

班長という役職は、そう簡単に埋まるようなものではないということだ。

「……………」

『遺書 アリスへ』

「(……こんなもの、残していやがったとはな)」

アリスの手がかりを追ってやってきたのは、主のいないシアル・ヴィクトリカの部屋。見つけたのは、一通の手紙。

ここで開いて読んでしまうなんて無粋な真似はしたくないが、……

「(……クソ、死人にまで嫉妬するなんてな、どんだけ余裕ねぇんだ)」

これを読んで、奴の死を悼み涙を流すあいつは正直あまり見たくはない。それにここに愛の告白でも書いてあったらどうする、死んでいるとはいえ、心残りのある女を抱くのは気分がいいものじゃない。誤って名前なんて呼ばれた日には正直俺のメンタルは持ちそうにない。

「(……女々しくなったな、俺も)」

俺は手紙をポケットに突っ込み、部屋を出て鍵を閉めた。
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