【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第4章 屍の瞳
仲間や友人を失った兵士は調査兵団内では少なくない。もちろんそこには俺も含まれるし、"あいつ"も同じ。
「兵長……あいつ、ほんと何者なんですか……」
オルオが感嘆の言葉を漏らすのも無理はない。訓練用の森の中を立体起動装置でありえないスピードで駆けていく、周りの兵士たちよりひとまわりもふたまわりも小柄な少女。表情も目も死んでいて、いつもどこか上の空。なのに、
「……笑ってやがる」
訓練中、奴は普段から想像もつかないほど楽しそうに跳ぶ。
「ま、まあ?あいつがいくらすごかろうが討伐数は俺のが上だからな!」
「兵団に入ってまだ3年のアリスにあと五体で追い抜かれそうなのは誰だっけ?」
「うるせぇ!!」
実力は申し分ない、結果も出している。
ただ心配なのは……
「……オルオ、ペトラ。あいつを呼んで来い。お前らは訓練に戻れ」
「はい!」
「了解です!」
森の方へかけていく2人の後ろ姿を眺めながら、ここ数日徹夜で読みふけっている報告書を思い出す。