【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第21章 生の呪い
生まれてきたことを何度も呪った。
「……やっと、見つけた」
我が身を呪った。命を呪った。神を呪った。
世界を、呪った。
「こんなに、大きくなっていたんだな……」
そんな呪いだらけの真っ黒な世界に或る日突然、貴方は現れた。
「…………」
初めて出会った貴方に、私はナイフを突き立て牙をむいた。あの日のことを今でもよく覚えている。
「おっと………!!ちょ、待ってよ………」
"おきゃくさん"に教わった通り、足をかけ懐に潜り込み、背中を引っ張って突き倒す。馬乗りになりもらったナイフを首元につきつけるも、彼の顔は笑っていた。
「………、何故、笑っている」
今までここまで追い詰めて、顔を歪ませないものはいなかったのに。……傷だらけの私を見て、君悪がらない者などこの地下にはいなかったのに。
「……いやぁ、嬉しくてつい、ね。……君ともう一度会えたことが」
こいつが何を言っているのかなんて関係なかった。知らない顔は殺して金を奪って逃げる。それがこの地下でのルール。
無言で振り下ろすナイフが、彼の片手で止められる。
「………っ……!!」
いくら力を込めてもビクともしない彼の腕。
「……普段君より何十倍も大きい者を倒すための訓練をしているからね。こんな小さなナイフじゃ、俺は殺れないよ」
爽やかな笑顔の裏に、どす黒い獣の存在を感じ身震いをする。
……こいつは、強い。