【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第18章 ▼初夜▼
「……兵長のクマって、なんかもう濃すぎてインクついてるみたいですね」
隣で横になり目を閉じる兵長の頬をツンとつつくと、ゆっくりを目を開くこの人類最強。
「……さっきまでへばって大人しくしてたと思えば急に通常運転に戻りやがって」
兵長の腕が私の腰にまわりぐっと引き寄せられる。服は着ていないため兵長の肌の温もりが直に来る。
……なかなかに恥ずかしい。
つまりは照れ隠しだ、許してほしい。
「……このまま寝ちゃったら、先生に怒られちゃいますね」
医務室のベッドに2人。この調査兵団にはエルヴィン団長のように大柄な人も多いためベッドは大きめに作られており、ちょうど小柄な私と兵長が眠るにはぴったりだった。しかしこのまま眠るわけにもいかないだろう。明らかに事後だとばれてしまう。
「どちらにせよエルヴィンたちが帰る前に俺は部屋に戻る。……だが、もう少し側にいさせろ」
ぎゅっと力を込められる腕。
「……兵長、私のこと大好きですね」
そう言って兵長の腕の中にうずくまる。
「ああそうだが。文句があるなら聞くぞ」
「文句なんてないですよ。人類最強の寵愛が受けられるなんてこんな贅沢ないです。……それに、私もきっと同じくらい好きなので」
好きと伝えられる人がいる、愛してると言ってくれる人がいる。この胸が満たされていく感覚。
「……これが、"しあわせ"……なんですかねぇ……シアル班長」
こんなところ天国から見られていたら死ぬほど恥ずかしいけど。