第18章 ▼初夜▼

「……んっ……先生、帰ってこないですかね………」

上半身を覆うものは包帯だけ。幸か不幸か、胸部は包帯で覆われていない。

「アリスのことは心配するな、俺が見ておく……とだけ言っておいた。あの爺さんのことだ、察してるだろ。怪我人に無理をさせるなと釘は刺されたがな、」

それだけで察せられたのか……さすがお年寄りは違う……。

「無駄口叩くのもそれくらいにしとけ。一応初夜だからな、女は雰囲気だの気にするんだろ」

「私が、そんなありきたりな女に見えます………か、？」

その辺りの女と比べられたかのような気になって、むっと口を尖らせる。

「……はっ、てめぇは本当に変わったな」

何が変わったのか、と、胸に顔を埋める兵長の髪をくしゃっと握る。

「そんな顔すんな、他意はねぇよ。いい意味で変わった、つーな」

再び貪るようなキスに身体が震える。あの男にされたキスはあんなにも気持ちが悪いものだったのに、

どうしてだろう

「……っはぁっ………ん……っふぅ……」

「……っ！！……てメェ、どこでそんな顔覚えたんだよ……」

今は、気持ちよくて仕方がない。

「……兵長、も……っと、」

「…‥っ……クソがっ……」