【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第3章 優しさと苦痛
生きていても仕方がないと思う。シアルさんがいないこの世の中が、こんなにも暗いだなんてすっかり忘れていた。
ひとりぼっちに戻っただけなのに、一度知ってしまった光は、私には眩しすぎた。
「おいクソガキ、掃除は済んだのか」
「何故私が兵長の部屋の掃除をしなければならないのかは疑問ですが、やるだけはやっておきましたよ」
「ほう、これでか」
「何か文句がおありですか」
「大有りだ、クソ野郎。全てやり直せ」
牢獄で初めて兵長と出会ってから、1週間が過ぎた。
「……はぁ、」
リヴァイ班の人たちもみんないい人で、なんとかうまくやっている。次の壁外調査が2週間後にまたあるのでそれに向けての訓練は厳しいが、生きることにすら精一杯だったあの頃に比べれば楽なものだ。
シアル班長よりは厳しいが。