【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第12章 捕獲作戦と古城
そういった行為を、今まで金稼ぎの世渡り手段としか思っていなかった。そこに愛なんて存在しないし求めてもいけない。その過程で生まれた私なんて望まれない子同然。それが今まで見てきた世界では当たり前だったのに。
それなのに、
「優しくするように努めると約束する。だから、」
恥ずかしいのかそっぽ向き背を向ける兵長の背中が、溢れる涙に歪みはじめる。
「絶対に、生きて戻れ」
こんなにも優しい意味を持つものだなんて、思いもしなかった。
「……兵長、」
「なん……っ!?」
兵長の背中に思い切り抱きつき、腰に手をまわす。
「……兵長こそ、絶対に死なないでくださいね」
泣き虫を悟られぬよう、兵長の背中に顔を押し付ける。
「……お前、泣いてんのか」
「泣いてません、……鼻水です。押し付けっ……ときますねっ……」
「おい馬鹿やめろ汚ねぇだろ」
そう言いながらも決して逃げたりせず、私が離れるまで動かないでくれる貴方は、
本当に優しい人なのだろう。
「(……またこれかよ)」
そしてリヴァイは今回も生殺しを食らうのであった。