【進撃の巨人】人類最強と死にたがり少女【リヴァイ】
第10章 ▼前夜▼
「兵長っ……ごめ、なさい……私、もうっ……」
「あ?……っておい、てめぇ……!!」
ガクリと動かなくなったかと思うと数秒後、
聞こえてきたのは規則正しい寝息だった。
「ふざけんなよ……」
こみ上げる苛立ちも、
「……すぅ………」
「チッ……、無防備な顔して寝やがって……」
この寝顔を見ていると収まってしまう自分が憎い。
とりあえずこのままの姿にしておくわけにもいかない。かといって再び兵服を着せるのも手間だ。
……俺の上着でも着せておけばいいか。
執務室に仮置きしてあった黒い部屋着を着せてやると上着だけで太ももくらいまでの長さがある。
面倒だ、もうこれでいいか。
そういえば忘れていたが、2週間ぶりの訓練でこいつはかなり疲れているのだった。
初めての絶頂でその残った体力にトドメを刺したのか、それで瞬で落ちてしまったのだろう。
「……さて、」
再び生殺しをくらった俺はやり場のない自らの熱をどのように冷まそうかと考えながらアリスを自分の寝室まで運んでゆく。
「アリス……ほんと覚えてやがれよ……」
俺はアリスの額にそっとキスを落とした。