第15章 恋スル乙女【竈門炭治郎】
ゆっくり唇を離せば、銀糸が引き合う。
「…限界。…良い?」
先程の「男」の顔ではなく、また少年のような眼差しで聞いてくる。
まるで山の天気のように変化するその表情や仕草に…私は一生翻弄されていくんだろう。
『ん…ぅ、ん。…抱いて…?』
ねだるように頸に腕を絡め、誘うような甘い声を出せば炭治郎くんが口の端を上げニヤリと笑った。
蜜口に当てがわれる熱い昂り。いつも…何度抱かれても、この瞬間はどうしようもなく緊張してしまう。
キュっと目を閉じ、開かれるその時を待ったが…いつまで経っても、炭治郎くんは進めてこようとしない。
薄ら目を開ければ、穏やかに微笑んでいる炭治郎くんが映った。
「目、開けてて。…紗英を抱いてるのが「誰」なのか、ちゃんと見て。」
『…っ、…は…い。』
「うん。…いい子。」
にこりと笑う炭治郎くんに頭を撫でられる。
その瞬間、脚を担ぎ上げられ一気に昂りが膣内に埋め込まれる。
『!!…っ、は…!!、あああっ…!!んぅっ…ッ』
一気に奥まで届くよう貫かれる身体。目の前がチカチカする…、こんな……っ!
『ひ、ぁ…っ!炭、治郎…く…!!ああっ、んんぅ…ッ』
「嬉しいなあ…っ、紗英が妬いてくれるなんて…!」
私の身体を激しく揺さぶり、乳房を揉みあげる。
「…っ、いつも…余裕ないのは、俺の方…っ…だから…ッ!」
『ぁ、ああ…っ、ぅ…私だって…余裕ない…っ、ぁ…不安…っなの…ッ』
ぐちゅ、ぐちゅと激しい水音が耳を犯す。
話しを聞こうとしているのか、炭治郎くんが腰を打つ速度を少し緩める。
「…ん…っ、不安…?」
『は、…ぁ…っ、年上…だし…ッ、元上官…だし…っ…炭治郎くんが…、同じ年頃の…女の子に惹かれるんじゃないかって…不安…っ…なの…っ』
話し終えた私を一瞬キョトンした表情で見て、そして…
心底愛おしそうに微笑む。
…急に恥ずかしくなり、その顔を見ていられず視線を逸らす。
「…紗英、俺を見て?」
ゆっくり、視線を戻せば…やっぱり愛おしそうに微笑む炭治郎が居た。