第12章 目印を探して【我妻善逸】
「そう…ゆっくり、咥えて…歯は立てないでね…っ?」
『ん…む…ッ』
半分くらいまで口の中に含んで、上目遣いで俺を見てくる。
口いっぱいに咥え込んで、涙目で…可愛くて仕方ないんだけど。
この可愛い子を隅々まで可愛がってあげたいのに…今は、どう考えても厳しい。
紗英ちゃんの喘ぎ声がしようものなら……
考えただけでも、恐ろしいわ!…それに、身体だって万全じゃない。
必ず、迎えに行くって…約束したんだ。
楽しみは…とっておこう。
「…、っ…上下させて…時々手も使って…?…うん…ッ…上手…っ!」
徐々に扱いに慣れてきたのか、速度を上げてくれる。
それでもまだ、少し足りない刺激は…自分の手を添えて足した。
「!!、…紗英ちゃん…出そうっ…口離して!」
いやいや、と咥えたまま首を振れば少しだけ歯が当たってしまう。
それが刺激になって…、紗英の口の中に白い欲望を吐き出した。
「ーー、ッ!!…は……っ、…!」
何度も腰が震えて、絞り出すように吐精する。
『んぅ…っ…!』
紗英ちゃんの口から、収まりきらなかった精液が少しだけ垂れて顎へと伝っていた。
「ごめん!出して!吐いて!」
慌てて、口から引き抜き声をかければ…その喉は上下して、俺の欲望を飲み込んでしまう。
『…飲んじゃいました…。』
悪戯っぽく笑って、唇に残るそれさえも舐めとった。
もう…、その仕草だけで…また元気になりそうだから…。
「あんな不味そうなもん…飲まなくて良いんだよ?吐き出してね、今度は…」
『…善逸さんのだから、美味しいです。』
「…やめてぇええ!!そんな事言わないでええええ!!抱きたくなるから!!ほんと!!超絶我慢してるんだからね!!俺!!」
それを聞いた紗英ちゃんはクスクスと他人事のように笑ってるけど、死活問題よ!?俺には!!
『……迎えに来て頂いた時…、いっぱいして下さい。…待ってます。』
「…うん…。待ってて。…俺、行くから。」
小さな身体を抱きしめて、髪に…頬に、口付ける。
もう、迷わないよ俺。…だって、2人だけの『目印』がちゃんと此処にあるからね。
「…好きだよ、紗英ちゃん。」